自己破産すると年金は差し押さえされるの?

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自己破産したら借金が無くなる代わりに年金ももらえない?

自己破産の手続きの概要について知る

前提として自己破産手続きというものがどのようなものか知りましょう。

自己破産手続きというのは、借金返済などに困ったときに法的な手段をつかって経済的なやりなおしを目指す債務整理の手段の一つで、債務者の側から見ると借金を免責してもらえる強力な手続きです。

自己破産で差し押さえの対象になる財産はどんなもの?

どのような財産が差し押さえの対象になるのでしょうか。

本来債権者は100%回収することができたはずが、債務者の都合で自己破産する以上、最低限の生活に支障が出ない財産は回収したいと思うところです。

しかし一方で債務者としても生活を再建しなければならないのであって、すべての資産を取り上げられた状態でやり直してくださいというのは、生活再建という趣旨にも反します。

そのため、自己破産について規定する破産法という法律において、債権者への配当にあてられる財産を「破産財団」という定義をして(破産法34条1項)、同3項において破産財団に所属しない財産について規定しています。

公的年金受給権は差し押さえされない

まず結論から言いますと公的年金の受給権は差し押さえされません。

破産法34条第3項2号は、「差し押さえることができない財産」は破産財団に入れませんとしています。どのような財産が「差し押さえることができない財産」なのかについて、動産については民事執行法131条に、債権については同法152条に規定がされており、その他各種法律でも財産の差押え禁止が規定されています。

そして国民年金については国民年金法24条に、厚生年金については厚生年金保険法41条によって、税金滞納処分以外では差し押さえることができないとされています。

以上の法律上の根拠を持って、年金受給権は差し押さえることができないといえるので、自己破産手続きを利用しても年金を受給しつづけることができます。

※個人年金は民間の生命保険会社に任意で加入するものなので、差押えの対象となります。

現金がある場合は99万円以下については差押えの対象とならない

日本人の特性として、借金をしている局面でも何かあったときのために貯金をしているという方は、実は結構な数でいらっしゃいます。

しかし、預金に関しても、原則として破産財団となるため、破産時に明示しなくてはなりません。

これに対して、99万円以下の現金については、破産財団とみなされず、処分の対象となりません。

もっとも、「では預金から引き出して現金として保持しておけばよい」という考えをする方もいらっしゃるのですが、不正な金銭の動きがあったり、実際に不正が行われていた場合は免責が受けられない可能性が出てきます。

そのため、弁護士と相談をしながら手続きを進めましょう。

自己破産しても年金受給できる

詳しくは専門家に相談しましょう

このページでは自己破産手続きと年金の関係についてお伝えしてきました。年金については差し押さえられる心配はないということを知っておけばよいでしょう。

記事監修 松木勇作

そうや法律事務所松木弁護士

浅草橋・秋葉原にある弁護士法人そうや法律事務所の代表弁護士。債務整理の相談も多い。無料相談の場合は電話でお問い合わせください。