個人再生ができない人とは?利用する条件と向いている人

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個人再生とは?

毎月の返済は厳しい!ただ住宅を手放したくない人は一読ください

「個人再生」とは債務整理の手続の中の一つです。原則として債務が5分の1から10分の1に減額され、減額された債務を、3~5年で支払うことで債務を整理する手続です。

「個人再生」の特徴としては、住宅ローン特例というものがあり、債務は整理したいが住宅だけは手放したくないとお考えの人に向いています。もっとも、「個人再生」には利用するための条件があり、借金の総額が住宅ローンを除いて5000万円以下で継続的な収入のある人とされています。

個人再生はこんな方向け

  • 借金総額が住宅ローンをのぞいて5,000万円以下
  • 継続的な収入がある
  • 住宅ローンを払い続けても家は手放したくない

つまり借金の総額があまりにも多額の方は個人再生ができないのです。では、具体的に「個人再生」の流れと利用条件を解説したいと思います。

個人再生の7ステップを解説

1.個人再生を依頼する弁護士選びから

まず、「個人再生」を依頼する弁護士を探しましょう。もちろん弁護士費用も気になるところですが、実績が豊富にあるかどうか等も含めて検討すると良いでしょう。依頼先が決まったら面談日を予約し、依頼先の弁護士と面談します。

その時、本人確認ができる免許証か健康保険証、認印を持参すると良いでしょう。債務者も仕事をしていることでしょうから、必要とはいえ、たびたび足を運んでいては仕事に支障を来たしますので、出向く回数は最小限に留めたいものです。

2.個人再生に必要なものを用意する

ですから、予約の際に必要な書類を聞いて準備しておくことをお勧めします。また、債権者の一覧表を作成されると良いでしょう。その表には、債権者名、借入金額などわかる範囲で記入します。

届いた督促も持参すると、債権先の所在がはっきりします。また、債権者の一覧表を作っておくことで、より面談がスムーズに進みます。

事前に用意するといいもの

  • 督促状
  • 本人確認書類(免許証、健康保険証など)
  • 印鑑
  • 債権者一覧表(借入金額、借りた金融機関名、債権者の3つが分かるように)

3.契約を交わす

弁護士、司法書士への相談

面談後、問題がなければ弁護士と契約を交わします。

弁護士は債権者に受任通知書を発送します。受任通知書を受け取った債権者(特に貸金業者)は、以後、債務者に直接連絡を取ることはなくなります。債権者からの督促や返済がストップするため、取り立てや催促のストレスから解放され、精神的に余裕がある状態で個人再生に臨むことができるでしょう。

4.弁護士が個人再生申し立てをする

自己破産

次に弁護士は個人再生の申立てを裁判所に行います。個人再生手続きの申立書には申立人の住所、氏名、生年月日等のほか、職業、収入、勤務先、家族、同居の家族の収入、負債額、滞納税金、個人再生に至った理由、予定計画弁済額等が記載されます。その他に不動産、車、保険、退職金の見込み額なども記載事項となります。債務者はこれらの内容をつまびらかにしなければならないのです。また、大切な点として住宅ローン特例を利用するかどうかを記載します。

最初にご紹介したように債務は整理したいが住宅だけは手放したくないとお考えの人にとって住宅ローン特例は外せない項目となります。住宅ローン特例は、住宅資金特別条項、住宅ローン特則、とも呼ばれています。一般的に、住宅ローンを組む場合、購入する不動産に住宅ローンの担保として、「抵当権」が設定されています。住宅ローンの返済ができなくなると、債権者から抵当権を実行されることによって、住宅を手放さなければなりません。

しかし、住宅は、生活の重要な基盤であり、個人再生手続を行った後も生活は続いていくため、その基盤を失わないように住宅を確保する必要があります。住宅ローン特例はこのような趣旨から設けられた制度です。

注意しておきたいことですが、住宅ローン自体は個人再生手続の減額対象にはなりません。

5.個人再生委員が選任され個人再生運用開始

申立てを受けた裁判所は、『個人再生委員』を選任します(裁判所の判断よっては、選任されないこともあります)。個人再生委員は、裁判所の指揮監督の下、個人再生手続が円滑かつ適切に行われるよう監督・指導する役割を担います。

裁判所の指揮監督の下で個人再生委員が中心となって個人再生が運用されていくので、その指示に従うようにしましょう。個人再生委員は個人再生の運用全般に携わります。面接や財産状況の調査・確認も個人再生委員が行います。また、個人再生計画案の作成に関して助言も行ってくれます。

6.積立トレーニング開始

また、これと同時に積立てトレーニングが始まります。積立てトレーニング(履行トレーニング)とは、手続き終了後に、滞納せずしっかり返済できるかどうかを確認するテストのようなものです。

テスト期間中、途中で滞納や未納があれば、個人再生後の返済も難しいと判断され、認可が下りなくなります。将来的に支払っていける見込みがあるか否かの重要な判断材料になるのです。

7.再生計画案を作成する

個人再生手続では、借金減額処理の前提として、今ある借金の総額や内容を手続上確定しなければなりません。そのための手続が債権調査手続です。

まず、債権者による債権届出、次に債務者の異議申述手続(債権調査手続の中で、借金の額を債権者に水増しされている場合に、債権の評価を裁判所などにしてもらう手続き)、それに対して債権者が債権評価の申立てをし、個人再生委員が債権の具体的な調査を行い、最後に裁判所が債権の評価を決定するということになります。

決定した債権額に基づいて再生計画案を作成します。記載される内容として、借金残高の総額、再生計画によって返済していく返済金額、その返済方法、その他利用する特別条項などになります。

再生計画認可されたら翌月以降に返済スタート

住宅ローンは通常通り払い続け、残りの借金返済額が減る

借金の返済は、再生計画にもよりますが認可決定した日の月の翌月~翌々月から返すのが通常です。また再生計画案によっては3ヵ月に1回の場合もありますので、ご自身の再生計画案に従い返済を行うことになります。

住宅ローン特例を用いた場合には、住宅ローンの返済に加えて個人再生手続により減額された借金も返済しなければならないため、当然ながらしっかりとした返済計画が必要になってきます。

記事監修 松木勇作

そうや法律事務所松木弁護士

浅草橋・秋葉原にある弁護士法人そうや法律事務所の代表弁護士。債務整理の相談も多い。無料相談の場合は電話でお問い合わせください。