住宅ローンが返せない?自己破産のデメリットを知っておこう

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自己破産や競売

病気で働けなくなったり、会社の倒産などで失職・転職で給与が大きく下がった結果、住宅ローンが返せない…といったような状態になった場合には、自己破産という選択肢も見えてくるかもしれません。

なんとなく、自己破産は怖いというイメージがあるかもしれませんが、自己破産をすることによりどんなデメリットがあるのでしょうか。

このページは自己破産手続きというものの概要と、どんなデメリットがあるのか、ということについてお伝えします。

自己破産は一番経済的再生が早い手続き

まず、自己破産手続きとはどのようなものかを知りましょう。

自己破産手続きとは、借金などの債務の支払いに困ったときに手当をする手続きである債務整理の手段の一つで、裁判所に申し立てを行って借金の免除をしてもらう手続きのことをいいます。

本来債務は支払うべきなのですが、資本主義経済にあっては経済的に破綻することも前提としており、経済的に破綻した人に対してなにがあっても債務の支払いをしなければならないとすると、競合する債権者同士で債務者の財産をめぐる争いを発生したり、経済的に破綻した人が財産を隠したり、犯罪に走る・自殺をするといった状況になることは防止しなければなりません。

そのため破産法という法律が規定されており、裁判所による審理と、債権者を調整するための手続きを踏むことを前提にして、個人に債務の免責をすることによって、経済的な破綻に対する調整をしているものです。

他の任意整理・個人再生という手続きと比較したときに、借金を原則免除してもらえるという特徴があります。

任意整理や個人再生を利用すると3年を目安に債務の支払いをしなければならないので、債務が免責される自己破産手続きは経済的な再生が一番早いものになります。

便利な自己破産手続きにつきまとうデメリット

上記のように経済的な再生をするための強力な手続きである自己破産手続きですが、利用することによって申立人に法律上・事実上のデメリットも発生します。

確実に発生するデメリットは次の通りです。

1)信用情報機関に事故情報として登録される(ブラックリスト)

他の債務整理手続きを利用する場合も同様なのですが、信用情報機関に事故情報(異動情報ともいいます)が登録されます。

この信用情報機関に登録されることによって、新たな借入・クレジットカードの申し込みなどが出来なくなります。

この状態は世間では「ブラックリスト」という言われ方をしますが、特に自己破産や債務整理をした方をリストにしているわけではありません。

このデメリットは日常的にクレジットカードを使う・地方にお住まいの方で高速をよく使う方がETCカードの利用が出来なくなる、自動車ローン・住宅ローンが組めなくなるというデメリットという形になってあらわれます。

2)官報という国が発行している新聞に掲載される

自己破産の利用をすると、自己破産をしたことが官報という国が発行している新聞に掲載されます。

官報というのは法律の公布や、会社の決算書の公告など、法律で公にしなければならないとしているものの手続きに使われるためのもので、破産法で自己破産手続きを利用すると官報に掲載されるとされています。

官報はだれでも有料ですが手に入れることができるものになりますので、自己破産を利用したことを知ろうと思ったら知ることは可能です。

3)家族に内緒にできない可能性がある

自己破産手続きを利用する場合に、管財人がつく少額管財の手続きになった場合には、自己破産の申立をしてから、手続きが終了するまで、郵便物が管財人に全部送付され、管財人が中を開けて確認した上で本人に送付する手続きの流れになっています。

管財人は弁護士として開業している人が裁判所から任命され、本人に送付する際には自分の法律事務所の名前が入った封筒を利用することがほとんどです。

ですので、申立をするといつもきている郵送物が届かなくなり、ある日突然弁護士からその郵送物が開けられた状態でまとめて送られてくることになります。

そのため家族に内緒にできない可能性が非常に高いといえます。

4)任意整理と比べると手続きは複雑

次に、任意整理と比べてという事になりますが、手続きが複雑になります。

同じ債務整理の一つの方法である任意整理は、債権者と債務者の個別の交渉をすることになり、自己破産や個人再生のように裁判所に提出する書面の作成は求められません。

この書面ですが、自分の資産や収入に関する申告とそれを証明する添付書面の提出を必要としており、面倒であると感じる方が多いもので、任意整理に比べるとデメリットということになります。

5)連帯保証人がいるような場合には迷惑をかけてしまう

奨学金や個人事業主の商工ローン、いわゆる街金といわれる小規模零細の貸金業者などから借り入れをする際に連帯保証人を求められることがあります。

自己破産手続きの利用をする場合には、連帯保証人がついている債務も含めたすべての債務について手続きの対象にする必要があります。

自己破産手続きなど債務整理手続きの利用を通知すると、連帯保証人に請求がいくことになります。

これを避けるために連帯保証人がついている債務についてだけ自己破産手続きから外して支払いをつづけるということはできず(任意整理ならできる)、もしそのような事を行っていた場合には破産手続きができなくなってしまいます。

そのため自己破産手続きの利用をする場合には必ず連帯保証人には迷惑をかけてしまうことになります。

6)住宅ローンで住宅を購入している場合には転居を強いられる

自己破産や競売

住宅ローンを利用して住宅を購入している場合には、住宅ローン債務者も自己破産手続きに参加してもらう必要があります。

この場合住宅ローン債権者は債務の支払いについて抵当権という権利をつけており、債務整理をするとこの抵当権という権利を行使します。

その結果住宅が競売にかけられて、競売で購入した人に住宅を明け渡さなくてはなりません。

そのため転居を強いられることになります。

実は自己破産のデメリットは回避できるものもある

以上だけ見ると、自己破産手続きはデメリットの多い手続きで使いづらい…というイメージをお持ちかもしれません。

しかし、債務整理の専門家である弁護士や司法書士は、これらのデメリットを回避する手段を提案してくれるので、実際にはあまりデメリットなく自己破産手続きを利用、あるいは別の手続きにより経済的な再生を手伝ってくれます。

自己破産で迷っているうちに債務が膨らんでしまい、他の方法を利用することができなくなってしまうよりも、少しでも早く専門家に相談するのが良いでしょう。